高次脳になってもうすぐ3年|色々なことが出来るようになりました

今日は2020年12月25日。クリスマスです。

 

高次脳になって何回目のクリスマスでしょうか?3回目くらいかな???

 

相変わらず日付に弱いです。どうも私には時間の流れをつかむ感覚がなくなっているようです。

 

「いつインフルエンザ脳症になったんだっけ?1月17日に入院したのはわかるけれど…。西暦何年だったかな?」

 

いつも悩みます。ブログを書くたびに「障害を負ってから何年何か月がたちました」って書こうとするのですが、出てこないんですよねぇ。

 

不思議です。見当識障害もあるんですかねぇ?障害が酷い時には明らかにありましたが…

 

そもそも自分が入院していた病院の場所が分かりませんでした。自宅住所も間違えていたし。

 

それなら他も察して知るべし!なのか…っていうとそうでもないんですよね。

 

パソコンを使ってシステム開発をするのは全く平気です。

 

目標を設置して論理的に考えて、材料を集めて、システムを構築する。

 

こちらの能力はあいからず普通なんですよ。っていうか間違いなく得意です。こんなことができる高次脳な人はなかなかいないと思います。ちょっと自慢です(慢心)

 

運転も上手な方だと思いますよ。(また慢心)

 

こんな感じで能力がちぐはぐになっている私ですが、高次脳になってもうすぐ3年かな?だいぶできることが増えました。逆に未だに苦手なものもあります。

 

今回はこの二つを明確にしてみたいと思います。こういうのは人によって全く違いますが、高次脳な人の能力のちぐはぐさを知る上では、結構意味があるんじゃないかな?なんて思います。

 

まだ苦手なもの

まずは3年経つのに出来ない事。苦手な事をピックアップしてみます。

 

前日食べた食事メニューが思い出せない

 

食事メニュー系は本当に苦手です。大学病院入院中は毎朝主治医に確認されたんですよね。「昨日何食べました?」って一回も答えられませんでした。すっごく嫌な質問でした。

 

おかげで「絶対答えてやる!」って意地になって大学ノートにメニューの内容を記録しながら食事をとるようになりました。

 

でも、1か月の入院期間中1回も正解できませんでした。忘れるんですね。っていうか思い出せない。

 

入院している間は検査、散歩、寝るのいずれかがメインイベントなりますが、私はこれに「食事メニューを暗記する」を組み込んでいました。

 

配膳されたらメニューをノートに内容を書く。食べながら感想ノートに書く。食べ終わったら思い出しながらメニューを書く。湯飲み茶わんを洗ったら思い出しながらメニューを書く。トイレに行ったら…お散歩したら…MRIから帰ったら…

 

とにかく「ベッドから離れるごとに、食事メニューを思い出す練習をする。」を自分に課していましたね。執念ですよ。抑制も利かなくなっていたと思います。とにかく意地とプライドをかけた戦いになっていました。

 

でも…一回も答えられませんでしたああああああああああ!! …悲しいかな記憶障害(涙)

 

あれからもうすぐ3年です。相変わらず食事のメニューは答えられません。

 

「昨日何食べたの?」って絶対に聞かないでください!ノイローゼになります。

 

知人と会うのが怖い

 

今は人と会うのが怖くなっています。

 

知らない人に会うのは全く平気です。でも以前の私を知っている人と会うのはとても怖いです。差が滅茶苦茶あると思うから。

 

優しい人は「え?なんもかわってないよ!」って言ってくれます。…それはそれで悲しいですけどね。

 

だって高次脳になってズレちゃってる私と、健常者時代の私が同じってことですからねぇ。

 

ああああああああ。

 

この辺は何とも難しいですね。あまり気にしないようにしているつもりです。気になっちゃいますけれどね。

 

でも正直言うと知人と会うのは怖いです。

 

勘違いが多い

 

注意障害の症状なのだとおもいます。以前に比べたら格段に良くなっているようです。

 

ダメ出ししかしなかった妻が「良くなっているよ」って褒めてくれるし。前はぼろくそでしたからねぇ(笑)

 

でも勘違いって厄介ですね。後から気づくんですよ。つじつまが合っていない事に。そして「しまった、またやってしまった!」ってなるんです。

 

自分で築いたときはこっそりと修正をかけます。わからないように。

 

この辺のずるがしこい所が「私の障害はわかりづらい」って千葉リハで診察される所以なのかもしれません。

 

WAIS-4などの机上の検査をすると、とても良い成績になるんですよね。健常者以上の成績が出たりします。

 

でも実践がダメなんです。机上ではよい成績でも実践がダメっていう…士官学校出たての新米少尉さんのようなパターンです。

 

それが日常のちょっとしたミスや勘違いとなって表れているんでしょうねぇ…。

 

これもまたしんどいです。でもちょっとずつは良くなってきているようです。

 

カレンダーに弱い

 

私が最も苦手としているもの。それがカレンダー。

 

「今日は何月何日何曜日?」って聞かれても答えられません。

 

「12月の後半」「何曜日かはわからない」こんな答えしかでてきません。

 

私、毎朝日付の曜日のチェックをします。予定を書いたエクセルを常にPCに表示させておいて作業管理をしています。

 

だから本当なら日付なんて即答できるはずなんですよ。

 

ところが…カレンダーが目の前から消えてしまうと「あれ?今日は何月何日だっけ?」ってなるんですよね。

 

見当識障害なんですかねぇ?冬だということはわかります。自分がいる場所もわかります。もう迷子にもなりません。

 

でも日付。日付だけはダメなんです。

 

出来るようになったもの

相変わらずできない事を並べましたが、今度は出来るようになったことを列挙してみます。

 

スケジュール管理するようになった

 

綿密にスケジュール管理をするようになりました。このおかげで仕事上のミスはゼロになりました。普通の人と遜色ないか、それ以上にこなせるようになったと自負しています(慢心?)

 

スケジュール管理は

 

     

     

  • オンラインのエクセル・・・仕事用
  •  

     

  • スマホのカレンダーアプリ・・・プライベート用

 

この二つを主に使っています。メモは別です。メモはメモだけで演説ができてしまうくらい奥が深いのでここでは書きません。

 

単純なメモを兼ねたスケジュールは、エクセルとスマホのカレンダーで万全です!!

 

千葉リハから推奨された紙のスケジュール帳はとても使いにくいので却下となりました。

 

行動記録を残すようになった

 

とにかく行動したらメモです。昔はメモなんて取らなかったんですけれど、病気になると同時にメモを取り始めるようになりました。

 

     

     

  • 最初は大学ノート。
  •  

     

  • 次は付箋。
  •  

     

  • 次はエクセル。
  •  

     

  • そして今はGoogleKEEP

 

こんな感じでメモ媒体は変化してきました。

 

ちなみに仕事の仕様なんかはガッツリとEXCELで書きます。仕事毎にフォルダー分けして保存です。

 

ちなみにフォルダーには連番を。エクセルファイルには日付を付けると必要な順番でソートされて一覧表示されるので便利ですよ。DROPBOXのフォルダも番号を付けて管理しています。

 

番号は3桁くらいで10とびぐらいで付けるといいです。010,020,030って感じがおすすめ。

 

よくありがちな単純な1,2,3,4はNGです。修正が利きませんから。この辺りは昔ながらのプログラミング言語からの応用ですね。行番号ってやつです。

 

一つ一つ振り返るようになった

 

とにかく何か起こるたびに記憶を反芻するようになりました。忘れちゃうので。

 

反芻することで記憶が海馬から大脳皮質に転送されるのを祈ってやっています。

 

一回ではスーッと抜けていく記憶も、何度も反芻すると定着するようです。大事なことは紙に書く。そして何度も見直す。出来れば清書もする。

 

この3段階で私の記憶にしっかりと定着します。漏れが無くなります。

 

ちなみに私は音の情報に弱いです。だから「言葉で伝えられた情報は、ボロボロと記憶から抜け落ちます。」これは元々そうだったんですけれどね。

 

音の記憶は少量でもとどめておけません。だから電話は超苦手です。あれは悪魔のツールですね。電話のない世界に住みたいです。全部チャットだったらどんなに素晴らしいでしょうか。

 

ルールの明確化と手順の清流化

 

高次脳になると融通が利かなくなるって言われています。妻はよく私にそれを言うんですよね。

 

これって頑固になるって捉えられてしまうのですが、ちょっと違うような気がするんですよ。

 

人から情報を受け取った時に、あいまいな部分があると「???」ってなってそこで思考が先に進まなくなってしまうんですよ。

 

例えていうなら、小学校低学年の算数の足し算引き算が「?」の状態なのに、そのまま上級生になったときの、分数の計算ができますか?って話なんです。わかるかなぁ?

 

基礎ができていないのに、その上のレベルの計算なんてできませんよね。その感覚なんですよ。ルールが明確になっていないのって。

 

だから「はっきりしてください」ってお願いをするのだけれど、相手は面倒くさく感じるのか「高次脳だから融通が利かない」ってレッテルを貼ってくるんですよね。

 

もし私が高次脳じゃなかったらどんな言葉で言い返すんでしょうかねぇ?って思います。

 

最初の頃は悔しかったですね。明らかに私の方が正しい主張をしているのに、高次脳を盾に反論されてしまうわけですから。

 

でも今は違います。こう考えるようになりました。

 

「相手はルールを明確にして言語化する能力がない。」

 

相手にその力が無いのだから仕方がないなぁ。ってあきらめるようにしています。

 

こうやって衝突を回避できるようになったのも高次脳が良くなってきた影響なのかもしれませんね。

 

勘違いに気付けるようになった

 

相変わらず勘違いをします。注意障害なんでしょうねぇ。特に気が緩んだときが危険です。

 

頭の中に入っている情報を正確に引き出せない時がある。

 

でもいつも間違うわけではなくて、何かの拍子にエラーが発生する。

 

エラーが発生するのは疲れがたまっているとき。

 

こんな感じで自分を分析しています。

 

それでも間違いを犯してしまうことがあります。痛いです。がっくり来ます。まだ記憶の引き出し方が下手なのだと思います。油断した時に失敗するようです。

 

…って感じで今は自己分析をしています。現状を把握しています。

 

現状を把握出来たら次は目標の設定です。目標はミスを犯さないとなりますね。

 

ではそのためにはどうすればいいのか?

 

…なんてことを時々考えて、自分を戒めるようにしています。

 

あとはなるべく疲れないようにする。

 

疲れが私の障害を増幅させる全ての元凶ですから。

 

     

     

  • 疲れ
  •  

     

  • 環境
  •  

     

  • 慢心

 

この3つのキーワードを常に意識できていれば、出来ているときは、勘違いという名の注意障害は発生していないような気がします。

 

出来るようになった理由

こうして文章にしてみると、自分の障害の状況をだいぶ把握できているんじゃないかなぁ?って感じます。

 

現状把握は絶対最初にすべきことですからねぇ。把握できないということは「病識が無い」「自覚が無い」って状態です。

 

これでは対策の打ちようがないんですよね。

 

私ができなかったことが出来るようになった理由は、もちろん脳についた傷がきれいに塞がったというのもありますが、つねに「こうありたい」という目標があったからなんじゃないかなぁって思います。

 

目標は大事です。大学病院に入院した時もスグに目標を確認されましたから。(私は覚えていませんけれど妻がそういっています)

 

人は比較対象が無いと物事を把握できないようです。だから目標が必要なのだと思います。

 

目標があれば現状と比較して、解決すべき問題が明確になりますよね。

 

     

     

  • 目標
  •  

     

  • 現状把握

 

高次脳機能障害の克服ってこの二つの柱が必須だと思います。この二つが揃うから、今すべきことがあぶりだされるわけですから。

 

「千葉リハでのリハビリは現状把握が目的だ」って聞きました。リハビリを受ける前に。その意味はここから来ているのだと思います。

 

「現状把握なんてしてもしょうがないよ!リハビリで治したいのよ!」って感じるかもしれませんが、現状把握は大事です。

 

リハビリの第一歩だと思います。

 

高次脳機能障害は障害が見えませんから、把握するまでには時間がかかります。

 

出来ない自分を再確認するようで嫌だって感じる人もいるかもしれません。

 

でも、今の自分の位置を正確に測定する行為は絶対にした方がいいと思います。

 

それが脱高次脳機能障害の第一歩だと思います。

 

今は、3つのネット回線を切り分けて、複数のお客さん相手にリモートで対応し、お客さんの社内で使うシステムを構築する。

 

そんな仕事をしています。高次脳でもなんとかなるものです。

 

かなりしんどかったですが、周囲に助けられまくりました。感謝しています。

 

まだ希望はあります。