やっと障害特性に気づく|高次脳になってから2年と4ヶ月

障害特性という言葉

 

…深い意味はわかりませんが、言葉の雰囲気から自分の障害の特徴なのかな?と考えています。

 

インフルエンザ脳症で高次脳機能障害になって2年と4ヶ月が経ちましたが、ようやく自分の障害特性を言葉で表せられるようになった気がします。

 

そんなわけで、今日は自分の障害をまとめてみたいと思います。もしかして同じような特性がある人がいるかもしれませんね!

 

私の高次脳機能障害の特性とは

まず私の障害は「高次脳機能障害」と言います。インフルエンザ脳症で体内でサイトカインストームが発生。インフルエンザを駆逐しようとする免疫細胞が自分の細胞を傷つけてしまい障害者となりました。

 

傷つけた自分の細胞というのが「脳の細胞」だったんですよね。運が悪すぎです。

 

脳は場所によってい役割が異なります。感情を司ったり、物を見たり、匂いを感じたり…。

 

私の場合は「海馬」という記憶に関係する部分が傷ついてしまいました。そんなわけで記憶障害となったんですよね。

 

ちなみに海馬は一時的な記憶の保管場所です。最近発生した出来事を覚えておきます。その中から大事な記憶がピックアップされて大脳皮質に送られて永久保存されるようです。子供の頃の思い出とかありますよね。あぁいう昔の記憶は大脳皮質という金庫に大事にしまわれます。海馬は普段使いの財布ですかね。

 

で、ここまでは本などを読めば当たり前のように書いてある部分です。私が気づいた障害特性はこの先にあります。完全に個人的な障害の症状ってやつです。

 

時間帯によって変化する記憶力

気づいたのですが、私の記憶力って時間によって変化するようです。厳密にいうと「記憶を想起する力」です。これが状況により変化しているようです。

 

もうちょっと砕いた言い方をすると「時間帯によって物忘れの度合いが変わる。」かな?

 

例えばこのように変化します。

 

朝起きた時の記憶力は普通です。健常者そのもの。昔のままなんですよね。普通に覚えられるし、普通に思い出せるのです。だから仕事も会話もスムーズ。

 

ところが、夕方…時間にすれば15時以降ですかねぇ。特に17時をすぎたあたりからなんですけれど、物忘れがとてもひどくなります。

 

日中の出来事が思い出せなくなるんですよ。例えば昼間に食べた食事の内容。夕食を作っているときに、毎度毎度、妻から聞かれますが答えられた試しがありません。もしかすると100%の確率で答えられていないのかもしれません。

 

それどころか、「今日は何をしていたの?」レベルのざっくばらんとした質問にも答えられなくなります。なにも頭の中に浮かんでこないのです。

 

1日を何もしないでぼーっと過ごしていたわけではありません。私はコンピューターシステムを作るお仕事をしています。相当なレベルで脳を使う仕事です。この仕事はきっちりとやり遂げています。

 

ところが、1日の仕事を終えた後。リラックスした雰囲気の中で夕飯を作っている時の妻からの質問。これに全く答えられません。

 

「何をしていたの?」と、聞かれたら、つい先ほどまでしていた仕事の話でもすればいいと思うかもしれません。ところが…そのついさっき。数分前まで行ってた仕事の内容を思い出せないのです。

 

「あれ?何をしていたんだったかな?」

 

深く考え込みます。でも頭の中には何も浮かんでこないのです。

 

1日の仕事を終えた夕方以降は、私の記憶の想起力はほぼゼロに等しいと思います。

 

「そんなんでよくパソコン使って仕事ができるなぁ!」なんて思いますよね。私も思います。でもできちゃうんですよ。不思議なことに。きっと昼間に仕事をしているから頭が正常に働いているのかもしれません。夕方以降の残業をしたらとんでもないことになりそうです。

 

なぜ夕方以降になると記憶力が落ちるのか?

昼間は正常に働いている脳が、夕方以降になると怪しくなる…。それの原因って「疲れ」だと思います。

 

家の中で仕事をしているとはいえ、一日中カンヅメとなってPCの前にいるわけです。さらに複雑なプログラムもしています。相当に脳のエネルギーを消費しているはずです。普通の人でもだいぶ疲れることでしょう。

 

そんな仕事をこなしている私はつい先日まで「易疲労に困り果てていた障害者」でした。

 

今の私は、退院後1年の頃に比べたらだいぶ易疲労は解消しています。しかし、ゼロにはなってはいません。

 

やっぱり普通の人よりも疲れやすい。特に疲れるのは「神経疲労」です。脳をたくさん使うと神経疲労を起こすと思います。

 

神経疲労って高次脳機能障害な私には大敵の状況なんですよね。

 

コイツのせいで眠れない夜を過ごしたわけですし。

 

  • 何事も悪いことが起きないように。
  • 作業量が増えないように。
  • 面倒な電話がかかってこないように。
  • 現場でトラブルが起きないように。
  • ひたすら予定していた作業をこなしたい。

 

そんなことを考えながら、明日も黙々と作業をするつもりです。

 

本日のまとめ

高次脳機能障害になって2年と4ヶ月が経過。車の運転ができるほどに脳は回復しました。

 

しかし夕方以降は記憶力がガタ落ち。日中の出来事が思い出せなくなります。

 

こうして自分の状況を文字にすると「やっぱり障害者なんだな」ってがっかりしますね。

 

元には戻れないのかな。元に戻りたいな…。

 

そんな毎日を送っています。