3年経過しても脳は回復する実感|以前出来なかったことが出来た

  • 脳に障害を負うと元の能力の85%ぐらいしか回復しない。
  • 最初の1か月が回復がゴールデンタイム
  • いやいや一生回復しつづけるよ

 

脳の回復には諸説ありますよね。私的には一生回復し続けるのだろうなという実感です。

 

そう感じる出来事が時々起こるんですよね。

 

「病後出来なくなっていたことが、突然できるようになる」というイベントが起こるのです。不思議です。たった今もそれが起こったところです。

 

今日、2年10か月ぶりに感じた脳の回復

私はコンピュータのシステム開発をするお仕事をしています。高次脳の人がする仕事ではないと言われていますがやっています。かなりのレアケースだそうです。

 

自分的にはかなり能力が落ちた実感があります。出来ていたことが突然できなくなりました。

 

なぜかプログラミングするための命令文などは完全に覚えています。自由に使えます。

 

でも複雑に構築された膨大な命令の塊を読み解いて、ミスを調整したりするのは厄介です。プログラミングって新規に何かを作るよりもすでにあるものの間違い探しをする方が難易度が高いです。

 

私は新規に作り出す能力は障害でも衰えなかったようです。だから病前と遜色なく作れるようです。

 

でもミスを探し出して調整する…というのは本当に厄介。

 

単純なミスなら見つけられますが、深い井戸の奥底の底にあるようなミスはなかなか見つけられません。たぶん健常者でもかなり難易度が高いでしょう。それを注意障害のある私が見つけ出そうというのですから。

 

今まで大きなミスが2回ほどありました。大きなミスと言っても、「結果の数値がなぜか1ちがう」そういうレベルです。100もちがっていたらあっという間に見つけられますから。

 

大きなミスの1個目は退院後3か月目ぐらいに駆逐できました。かなりしんどかったです。例えていうのなら広大な砂浜に落ちた一本の針を探すような作業でした。でも見つけました。直せました。

 

2個目のミスはなかなか見つけられませんでした。「なぜ結果が異なるのか?」理由が分からないのです。

 

時間がある時に時々確認したり、結構間をあけて頭をリフレッシュさせてみたりと、長々と続けてきました。

 

それが今日、ようやく解決できました。やったー!とても長かったです。完全に理想とする結果を出す仕組み作りができました。完全に仕上がりました。やったー!

 

ミスが直せた瞬間はとても嬉しかったですね。

 

こういうミス探しはとてもしんどいです。他の人に手伝ってもらう事も出来ません。代替手段がありません。自分一人でやり遂げるしかないのです。

 

それをようやくですよ。解決までに3年ですよ。やっとクリアできました!

 

万歳!万歳!万歳!

 

障害を負って無理をしないように無理をし続けて得られたもの

こういうことが出来るといつも思います「以前の自分をまた取り戻した!」って。

 

やっぱりうれしいですよ。最初の半年間は以前の自分の強大さを乗り越えられなくて、心がボロボロになっていましたから。いつも思っていました

 

「昔の自分は凄かった。」「何でもできた。」

 

「でも今の自分は何もできなくなったんだ。」

 

とても苦しかったですね。過去の自分にメンタルをボコボコにされまくっていました。周囲からも馬鹿にされるし、とても悔しかったですね。

 

でも仕方ないですね。数十秒もすると忘れてしまうような状態でしたから。目の前にあったスマホをちょっと何かの後ろに隠されると「あれ?ない!スマホが無いぞ」って慌てて探し始めるんですよ。

 

でも見つけられないんですよね。なぜかというと同じところばかりを確認し始めるから。一度確認したところを何度も確認するのです。だって確認したそばから、そこを確認したかどうか忘れてしまうありさまですから。

 

そんな状態の私でしたが、何万行もあるプログラムから間違いを見つけ出せました。訂正出来ました。やりましたよ!

 

たぶん健常者でも難しいレベルだと思います。それを注意障害のある私がクリアできたわけですから。こんなに嬉しいことは在りません。自分に自信が持てます。

 

インフルエンザ脳症で入院中に主治医からは「今の仕事は高次脳の人がやる仕事ではない」と言われました。たしかにあの当時ならそう診断されてもおかしくありません。

 

なんせ毎日同じ内容の心理検査を受けているのに、何をしているのかを一つも覚えられなかったくらいですから。

 

記憶力は100人中100位の絶望状態でした。

 

記憶力がダメになったという実感はありました。だから病院のベッドの上でたった今食べた飯のメニューを覚えよう覚えようと必死に暗記したりもしました。入院中は検査、寝る、暗記のいずれかでしたよ。努力に努力を重ねましたよ。

 

…でも一つも覚えられませんでした。

 

想像してみてください。たった今起きた出来事を全くできなくなった自分を。ゾッとしませんか?何も詰みあがらないんですよ。これでは勉強も仕事も無理。外出したら帰れなくなります。認知症と同じです。

 

そんな状態の私でしたが…また一つ大きな課題をクリアできたのです。うれしい!

 

脳は間違いなく回復し続けています!!

 

出来なかった事ができた私の今後の目標は?

私はエンジニアです。だからこれからもエンジニアらしく生きたい。

 

私の特技は「発想力と技術力」です。人が思いもつかない事を技術力で具現化するのが得意です。

 

だから新しい事にチャレンジするのであれば、高次脳機能障害者を助けるアプリを作りたいです。

 

いつできるのか…分かりませんけれど、最終ゴールはこれに定めています。

 

そして今できることから一つ一つ階段を登っていくつもりです。

 

最大の懸念事項は「私のものを作り出す能力の回復」でしたが、かなりイケている状態なのではないか?と感じています。今の私は障害を負う前の私と同等レベルの力を取り戻していると思います。

 

少し前までは、病前の自分が強大で、障害を負ったのが悔しくて仕方がありませんでしたが、今はそのような気持ちが全くありません。もう乗り越えられないライバルではありません。完全に同等もしくは超えています。

 

次はその証明ですね。

 

新しいものを作りたい。世の中に役立つものを作りたい。高次脳機能障害で苦しむ人の助けになるものを作りたい!

 

私は私ができることで頑張ります!