高次脳機能障害になって2年と9か月目かな?以前のようにシステムエンジニアの仕事がやれています。

 

お客さんともうまくやり取りできるようになりました。完全に以前のようにはいきませんが。まだ心が回復しきっていないようです。どこか自信がないです。

 

脳神経内科から精神科を進められるほどにメンタルがズタボロになりましたからねぇ。二次障害と言うらしいですが、まだ復活しきってはいないようです。

 

それでも、かなり高度なことが出来るようになっています。ありがたい事です。

 

もともとエンジニアとしての経験値が多かったせいかもしれません。私の仕事は「高次の脳人が行う仕事ではない」そうです。急性期。大学病院の主治医にそう言われていました。たしかにそうかもしれません。かなりきつかったです。それでも満足のいく結果を得られるまでには回復しています。

 

ただ、最近新しい課題を見つけています。

 

易疲労が最後の壁ではなかった。新たに見えた課題とは

それは「過集中後の息切れ」です。

 

過集中とは、読んで字のごとく。一点に集中しすぎてしまうことです。よく「集中しろ!」なんて言いますよね。その集中です。

 

その集中ですが尋常じゃないレベルで集中してしまうようです。最近はだいぶ良くなってきましたが、退院後半年ぐらいは「このまま仕事を続けていたらぶっ倒れる」と警戒されて「周囲から止められる」ほど集中していました。命にかかわります。恐ろしいです。

 

その過集中が今はだいぶ落ちついているのですが、時々やらかしてしまうようです。

 

もともとも過集中器質だったのかもしれません。一度スイッチが入ると「暑い。寒い。空腹。」この3つが全く気にならなくなります。当然危険。だから良くない。そういう障害なんです。

 

この過集中の癖(というか障害)がどうも抜けきっていません。

 

妻は私の表情を見た途端に見抜きます。一息ついたときに「ハァハァ」と息切れが始まるからです。

 

私も自覚しています。過集中を気づけます。過集中してしまっているのですが、昔のように一線を越えてしまってパニックになることはありません。この点は障害が軽くなったのだと思います。

 

それでも、体が異常な動作(呼吸が荒くなる)をするぐらいには、脳に負担がかかっているわけです。健康によくないですよね。

 

今後の課題はこの過集中ですね。呼吸が荒くなる前に集中を解いてリラックスする。が目標です。

 

同じ仕事でも環境に応じて集中度合いが変化するようです

私は2つの場所で仕事をしています。一つは自宅。もう一つは外の事務所です。

 

自宅では一人で仕事をしています。事務所では周囲に人がいます。

 

プレッシャーは外で仕事をする方が強いと思います。お客さんの相手を対面でする。というものがありますからね。逆に自宅では一人です。対人はチャットやメールのみです。

 

でも気が付きました。

 

チャットやメールで接する方がプレッシャーがきついんですよね。自分でも意外です。対面の方がリアルタイムで複数処理しなければならず。圧倒的に負荷が高いと思っていたのですが…。

 

その理由を私なりに考えると「一緒に働く仲間がすぐ隣にいるかどうか」という違いにあるのかな?と気づきました。

 

  • 自宅で仕事をする時は常に一人。誰も助けてはくれない。
  • 職場で仕事をする時は常に複数の仲間。困り事が起こると助けてもらえる。

 

私は昔から一人で仕事をしてきました。一人で仕事をするのが天職。人と一緒なんて煩わしい。そう考えていました。でも今は違う結論になりそうです。

 

「人と一緒に仕事をした方が案外楽かもしれない。その証拠が「過集中」なのではないだろうか?」

 

今までは人と一緒だと失敗を恐れて緊張して疲れる。そう考えていました。

 

でも実際は人と一緒だと、助けてもらうことが結構あって安心できるから、リラックスできているのではないだろうか…。その結果が「脳の酸欠の有無」に繋がっているのではないだろうか…。

 

コロナの在宅勤務も同じ傾向?

コロナで強制的に在宅勤務が始まった方々は多くいると思います。

 

メンタルが不調になる人もいるらしいですね。年代の高い人は会社に戻りたいって思うらしいですよね。

 

私はその話を聞いたとき「そうなの?一人で仕事をした方が効率的でしょ。通勤というマイナスもなくなるし。」そう考えていたんですよね。

 

でも、今の自分の状況を考えると

 

出社は人に助けてもらえる環境が、自然と用意されるメリットがある。そう言えるような気がしてきました。

 

もしかして年齢の高い方は人にうまく頼っている傾向があるのかな?

 

「なぜその程度の事をいちいち人に頼むのか?」なんて感じたことはないですかね?年齢の高い方が全てそうだとは言わないけれど、私の知っている範囲では「高齢者は人に頼っているなあ。」という印象です。

 

逆に若い人は誰にも相談できずに抱え込んでしまう…。そんな気がしますね。自分のことは自分でやれって言われてきますもんね。

 

人をうまく使えるかどうかは、気が付かずにメンタルを削るか、仕事をうまく回すきっかけとなるかの分岐点になりそうですね。

 

人を頼るのは最高位な脳機能かも?

千葉リハからもアドバイスを受けたかもしれません。「人をうまく使え」「頼れ」って。

 

たぶん。人をうまく活用できるようになったら、高次脳機能障害は「あがり」なのだと思います。

 

困りごとがあるかどうかですからね。高次脳機能障害の問題って。

 

たとえ記憶力が半分欠けたとしても、人をうまく使って代わりに記憶してもらう。その結果困りごとがなくなる。すべてスムーズに動く。…だったら障害を克服した状態ですよね。困っていないわけですし。

 

私はあまり人に頼れません。そもそも仕事を一人でしていますし。

 

スケジュール管理。仕事の進捗。交渉。責任。これらが私に覆いかぶさってくるんですよね。誰にも頼れない状態です。

 

でも誰かと一緒に仕事をして、困ったことがあったら隣にいる人に相談をする。問題を解決できる。こんな環境が整っていたら安心ですね。過集中を起こすことも無くなると思います。

 

…っていうか外で働いて居て過集中を起こしたことは一度もないです。

 

ホント不思議。

 

過集中はプレッシャーがかかると発生するようです。そのプレッシャーは一人で仕事に追い込まれたときに受けます。

 

知らず知らずのうちに一人でプレッシャーを受ける。それがメンタルをどんどん圧迫していく。プレッシャーと闘うために過集中となる。その過集中が脳に強いストレスをかけ続ける。

 

その結果が一息入れた途端の過呼吸状態。なんですね。

 

またひとつ自分の障害の状況を理解できました。