高次脳機能障害と通販|何度か痛い目に遭ったけど…また1ランク脳が回復した?

私は通販。特にAMAZONで買い物をするのが好きでした。大抵のものはAMAZONで買っていました。

 

また海外からの個人輸入などもしていました。最近ではスマホですかね。昔はサプリなども購入していました。日本では販売していない安くて質の良い商品があるんですよね。海外の通販では。

 

そんな感じで通販利用しまくりな私でしたが、障害を負ってからというものはほとんど買い物をしていません。どうしても欲しい時は妻に協力をしてもらっています。

 

しかし変な話ですよね。私の職業はシステムエンジニア。お金のことや商品の仕入れ販売などを管理するシステムを作っています。今でもです。

 

精度もかなり細かく「そんなのできるの?」レベルでの数字の管理をしています。

 

それがですね。自分の通販のお買い物はできないのです。不思議です。なぜなのでしょうか?

 

何度も痛い目にあったAMAZONでの買い物

気がつけば私は通販で買い物ができない体になっていました。なぜかというと注意障害ゆえなのか、常識ではあり得ないミスを犯してしまうからです。

 

どのようなミスかというと、「同じものを何度も繰り返して注文してしまう。」という致命的なものです。

 

最も印象に残っているのが「スマホに手書きをするためのデジタルペンを何本も注文した」というものでした。

 

品物が自宅に届いてから気がつくんですよ。

 

「あれ?なぜ同じものが何個も届くのだろう?」

 

全く身に覚えがないんですよ。「いやいや、こんなの注文していませんから。」って最初は思っていました。

 

本気の本気で自分自身では注文した記憶がないんです。だから注文しているはずがないんです。ところが注文履歴を確認すると…

 

「うわあああ!必要ないのに注文をしている!!!」って驚くんですよね。

 

注文する気がないのに無意識で注文してしまっているのか…。それともその瞬間は必要に感じて注文したけれど、注文した事実を忘れてしまっているのか…。どちらが原因なのかがよくわかりませんが、とにかく「やらかしている」訳です。しっかり証拠が残っていますから。

 

慌ててAmazonに連絡です。「間違って注文してしまいました。」って。取り消しの御願いをして、ことなきを得ましたが、何度かやっています。一度ではありません。

 

とにかく注文した記憶にない注文をしている訳です。最悪ですよこれ。

 

だんだん警戒心が強まり何も買えなくなる現実

幸い、私にも若干の記憶力が残っていますから、このような大失敗を何度も経験すると流石に学習するようです。

 

「私一人でAmazonで買い物をするのは危険だ。必ず妻のチェックが必要だ。」

 

今では自分の状況を把握できるようになった証拠だと思います。何度も失敗していた頃はまだまだ障害の認識が甘かたようですが。

 

おかげで今はAmazonでの買い物に失敗することは無くなりました。ただし一人では買い物しません。怖くてできませんけどね。

 

最近あったスマホ購入のエピソード

最近は妻のスマホを買い替えようとしています。

 

性能を調べてリストアップしてスマホの候補を妻に伝える。こういうプレゼン的な作業はミスなく行えるようです。妻にいくつかおすすめを伝えて選んでもらいました。

 

で、問題はその後です。「機種は決まりました。では次はいつどこで購入するか」となります。ここでまた障害が発動しました。

 

機種はGoogleのpixelシリーズと決めています。これが最も希望する価格と性能のバランスが良いようです。で、A4用紙には候補となる複数の機種名がまとめてあります。注文はGoogleの販売サイトからです。

 

あとは妻が「購入する」ボタンを押すだけ。という状況にまで持っていきました。妻はまだ「購入するボタン」を押していません。

 

…押していません…???

 

あれ?押したかな?あれ?あれ?あれれれ?

 

はい。これが今の私の状態です。

 

お分かりでしょうか?妻がpixelを購入する行為をおこなったかどうかを思い出せないのです。何万円もする買い物です。私が提案した機種です。必死に調べました。思い入れがあります。

 

でも、でも、妻が目の前で購入ボタンをクリックしたかどうかが思い出せないのです。なんという記憶力の無さなのでしょうか。

 

すこし前の私なら

 

「確か、この機種を買いたいって言っていたな。では買っちゃおう!ポチ」

 

迷わずに購入ボタンを押していたはずです。なぜなら「妻がスマホを買いたいと探していた。機種は決まった。購入は私がするはずだ。」と、勝手な決め付けを行っていたからです。

 

私は目標ができると一点に集中してしまう障害があります。過集中の症状なのかもしれません。それゆえに「こうだ!」とスイッチが入ると、ゴールにむけて一直線になってしまうのです。

 

ゴールにたどりつく際に、いろいろな問題が現れてもお構いなしになります。何せ横方向に意識がいかなくなりますから。まさに「猪突猛進!」ですね。

 

高次脳機能障害になってからもうすぐ3年になろうとする今では、この「注意障害からくる猪突猛進!」モードはだいぶ減ったと思います。

 

でも「何を買おうとしていたんだっけ?」は発生します。やっぱり記憶障害なんです。この障害だけはしつこくて、なかなか良くなりません。いや、少しずつなら良くなってきているけれど、まだまだ先は長いといったところです。

 

結局のところ「妻はスマホを購入するボタンを押したのか?」の事実は思い出せずにいます。…思い出せませんがこれだけは自信を持って言えます。「私が勝手に購入する事はない」

 

スマホの購入ボタンは必ず妻が押すルールとしています。私は絶対に押しません。鉄の意志です。私は自分がAmazonで購入した事実を覚えていることができません。できないのなら「絶対に自分では実行しない」というルールを設ければいいのです。そしてルールを守る!なんとしても守る!これが今の私ができる自分の高次脳機能障害攻略の一つですね。

 

長い付き合いとなる高次脳機能障害と、いかに折り合いをつけるか

私の障害はとても中途半端な障害です。見た目は明らかに健常者です。ほとんどの行動も健常者。専門家の医師が診察しても「障害が分かりにくい」となります。

 

それゆえに周囲は期待します。健常者としての行動と結果を。これが辛い。だって必ず「なんだそれ?ふざけているの?」レベルのミスを犯してしまいまう時がありますから。

 

自分自身でも思います。「なんでこんなミスをするのだろう?ありえなくね?」と。当事者ですらそうなのだから周囲からしたらねぇ…。

 

でも、段々と要領は良くなるようですね。楽に生きいくための方法を見つけ出せてきています。実感があります。

 

そのため以前よりは失敗へのプレッシャーが減ってきていると思います。最近は過呼吸になることも、そうありませんし。

 

高次脳機能障害克服の秘訣の一つに「人に頼る」というスキルがあります。高次脳機能中でも最もハイレベルなスキルだと聞いたことがあります。「障害者生活3年にしてようやくこのスキルを身につけられたのかな?」と思えるようになってきました。ありがたいことです。

 

これまでの高次脳機能障害生活をまとめると…

 

     

  • 暑い寒いのコントロールができるようになる
  •  

  • 心を落ち着けられるようになる
  •  

  • 疲れたら休めるようになる
  •  

  • 代替手段で障害をフォローできるようになる
  •  

  • ミスを減らせるようになる
  •  

  • 人を頼れるようになる
  •  

 

上記のような段階を経て高次脳機能が回復している気がしました。

 

次に克服すべき障害はなんでしょうか?多分「周囲に気を配れるようになる」なのかもしれません。今は自分のことだけで精一杯です。

 

本音を言うと子供がわずらわく感じる時もあります。まだそのレベルです。心に余裕がありません。それが今の私の障害の状態です。