入院した時に辛かったこと10選|高次脳機能障害になるほどの病気で何を感じていた?

入院している人が「辛いなぁ」って感じていることが分かれば、「どうすれば負担を減らせてあげられるのか。」が分かると思いませんか?

 

私はインフルエンザ脳症で1か月入院しましたが、この入院期間中でも困った事や「あれがあれば良いのになぁ」というものがありました。

 

1か月の入院って長いです。制限の塊のような何の刺激もない白い壁に囲まれて、ずーーーとベッドの上にいるわけですしねぇ…。本当に不自由でストレスに襲われ続ける毎日でした。まぁ病人だから仕方がないのですけれど。

 

私は歩けるけれど、急変したら命に係わるから目が離せない。本当は部屋から出るのは禁止で絶対安静・面会謝絶にしなければならない。だったそうです。

 

でも私はその自覚が無く気分的には「ピンピンしているよねぇ?」という不思議な状態でした。だから一人でお風呂に入ったりもしていました。重症の入院患者にしては元気いっぱいだった方だと思います。

 

そんな私でしたが「色々と困る事もありました」やっぱり1か月の入院ですから。その私がこんなアンケートを見かけました。

 

 

https://chosa.nifty.com/medical/chosa_report_A20160624/6/index.html

 

「へぇ」と思いましたよ。世の中には色々なランキングがあるのですね。

 

ちょっとこのランキングを元に私の入院中の出来事を振り返ってみたいと思います。当事者の生の声ってやつですね!

 

それでは、いってみましょう。

 

入院中に辛かったことを振り返ってみる

 

入院中に辛かったこと お風呂に入れない

私は入院中にお風呂に2回入りました。平均すると2週間に1回のペースでお風呂に入った事になりますね。

 

基本入院中はベッドの上にいますが、寝ているだけでも汗はかくようです。だから着替えをしないとどんどん来ているものが臭くなります。

 

私は脳症の症状で「匂いが分からない」状態でした。でも入院後3週間ほどで匂いが分かるようになったんですよね。その時に気付いたんですよ「うはあああああああ!!!くせぇえええええ!!!」って、

 

そうなんですよ。自分の身体が臭いのに、嗅覚が回復してから気が付いたんですよねぇ。ホント、びっくりしましたよ!

 

「他人からすれば臭いにおいでも、自分の匂いは良い香り。」なんて言う人もいましたが…。とんでもなかったです。鼻が曲がるのではないか?レベルで臭かった!

 

幸いにも妻が着替えを毎度持ってきてくれていたから、ジャージまでは匂いが浸透してはいませんでしたけれど。下着系は全滅状態でしたね。うああああ。

 

こうなった原因はもちろん「お風呂に入っていないから」です。

 

私お風呂好きじゃないです。だから「何日か入らなくても別にいいや」ってタイプです。

 

そんな私でも「自分が異常なレベルで臭い!!」って気づいたときは「うああああお風呂に入らせてぇええ!」って懇願しましたよ。

 

ちなみに病院のお風呂は予約制です。結構寒い。小さいファンヒーターが脱衣所に1個おいてあるのみです。湯舟は使えません。シャワーのみです。意外と広かったかなぁ…。だからお風呂場も寒い!

 

そんなお風呂でしたが(というよりもシャワー)、久しぶりに浴びた時は天にも昇る心地でしたね。

 

私、記憶障害が酷かった時期なのですが、きちんと言われた通りにお風呂を予約して、予約した時間に入って、お風呂が終わった事をナースステーションに連絡して…ってできましたよ!

 

このあたりはちゃんとできたんですよね。遂行機能障害なんて言われているのにね。ふしぎでした。

 

とにかく入院中もお風呂は入りたいですね。入らないと臭いです。着替えだけじゃだめ。おしぼりで体をふくだけじゃダメです。足りません。

 

私、お風呂に入れるようになるまでは、毎日おしぼりで体を拭いていましたから。それでもお風呂(っていうかシャワー)にはかないませんね!

 

入院中に辛かったこと 暇

私自身入院中に「暇だなぁ」って感じたことは一度もありませんでした。

 

常に検査検査検査…検査が多すぎて飯を食う時間もない。そんな認識でした。

 

たぶん私の脳が弱っていて、私自身の時間の流れが非常に遅くなっていた影響だと思います。そのため「入院中は忙しい!さっぱり休む暇がない!」と感じていました。

 

ちなみに自分の行動が遅くなっているのに気が付いたのは発症から半年後です。それまでは人より何倍も行動が遅いのに「忙しい!忙しい!」だったんですね。行動が遅い自覚が全くなかったのです。

 

だから「入院中に暇だと感じられるなんて…脳がはっきりしていてうらやましいな」と思ってしまいます。

 

入院中に辛かったこと ご飯が美味しくない

これには激しく同意いたします!

 

本当にまずい!どうすればあそこまで不味い飯を作れるのか。不思議で仕方がないです。

 

もっとも許せないのが「飯粒がとてもやわらかく、べっちょりしている」という点。

 

おかずが少なかったり薄味だったりするのは、聞いていたので覚悟していました。でもね…ご飯は…ご飯だけはきちんと炊いて欲しかった。米を究極的にまずくする炊き方をしているのかな?って今でも思います。

 

それでも朝食にコッペパンが2個出るんですよ。それだけが唯一の楽しみでした。まともに美味しく食べられる食事でした。

 

入院中に辛かったこと 眠れない

眠れないということはありませんでした。易疲労の極致状態だったので昼間も大半は寝ていましたが、夜も寝ていました。1日中寝てばかりです。すぐに疲れ果てて今うから起きていられないんですよね。

 

でも、夜中にふと目を覚ますこともありました。トイレとかでね。

 

夜中に目を覚ますと気づくんです「あ、入院しているんだった…」って。

 

これが身を引き裂かれるくらい寂しいんです。自分が置かれた状況を強制的に再認識させられます。窓の外は真っ暗。お部屋も真っ暗。

 

しーんとした病院。「コッ…コッ…コッ…」って心拍を計測するモニターの音だけが響いていましたね。

 

「なぜこんなことになったのだろう…」

 

ボロボロと涙が出てきます。

 

究極に寂しいですよ!

 

でも眠れるんですよ。起きていられないのです。脳の病気の影響でスグに疲れてしまうから。

 

入院中に辛かったこと 消灯が早い

私が入院していた病院の消灯時間は21時だったかな?22時だったかな?

 

イマイチ覚えていません。

 

「この病院は意外と消灯時間が遅いんだな。」

 

という感想を抱いていました。

 

でも入院前は寝るのが1時ごろが当たり前だったので、相当早いことにはかわりないですけれどね。

 

でも、消灯時間が早いけれど「辛い」とは思わなかったかな。「病院だからそんなもんだ」という認識でした。

 

入院中に辛かったこと 同室の人がうるさい

私にとって、消灯でつらかったのはこちらですね。

 

別途の関係で個室→内科6人部屋→脳神経内科6人部屋と部屋を変わったのですが、内科がうるさいうるさい。元気が有り余っているのでしょうね内科で入院している人たちは(全員高齢のおじいさん)

 

ベッドの上で平気で携帯電話の着信音を鳴らすわ、でかい声で長話を始めるわ…

 

「馬鹿かこいつら?」

 

って怒り心頭でした。

 

隣り合うベッド同士での会話もうるさかった。ずーっとおしゃべりしているのね。みんな暇だから。入院しているけれど元気いっぱいな感じ。凄いな内科病棟。

 

いびきもうるさい。半端なくうるさい。私がウトウトし始めたと思うと起こされるですよね。おじさんたちは寝つきもいいし。消灯で電気が消えて1分ぐらいで「んがーーーー、んごーーーー!」の大合唱ですよ。地獄です。

 

耳栓は必須!

 

入院中に辛かったこと 足腰が弱る、運動できない

足腰は確実に弱ります。本当に弱ります。1か月の入院で足の筋肉がごっそりなくなりました。

 

私入院中に思ったんです。

 

「最近は歩けるようになったし、廊下をウオーキングしたほうがいいんじゃないか?」って。

 

本当は廊下をうろつくのは禁止だったようですが、特別に許可をもらってナースステーションの前の廊下をグルグルと歩き続けていました。

 

それが唯一の運動でしたね。

 

私この時期って易疲労真っ盛り。最強の易疲労状態なんだけれど、意外と歩けたんですよ。1時間は歩き続けました。

 

この事からわかるのは「易疲労は体に負荷をかけても疲れない。脳に負荷がかかった時に疲れる状態」なんですね。病院の廊下なんて刺激ゼロですから。易疲労でグッタリという現象がおこらないんですね。

 

入院中に辛かったこと 娯楽が足りない

私にとっての入院中の娯楽は…

 

  • 食事の献立を散歩のたびに確認する
  • 何時も変わらぬ廊下の掲示板の記事を読む
  • 100円60分のテレビでインフルエンザのニュースを見る

 

以上の3つだったかな?

 

テレビは有料で長時間見れません。漫画はほんのちょっぴり目を通しただけで強烈なめまいに襲われる。そんな状況では娯楽なんて何もありません。

 

そもそも私の脳の時間の流れが遅いから「娯楽が無くて退屈だ」にはなりませんでしたけれど。

 

入院中に辛かったこと 点滴が痛い、邪魔

点滴は打ちまくりました。ステロイドパルスという、ステロイド剤を点滴しまくるのが治療のメインでしたから。

 

点滴を打ちまくりすぎて針を刺すところが無くなってしまうほど、短期間で点滴をしまくりました。

 

私の命を救った点滴ですけれど、はっきりいって邪魔です!ほんと邪魔!

 

針を刺すときも刺している間もいたくなかったです。脳症になって2週間ほど痛みを感じない体になっていましたしね。

 

とにかく「邪魔」でしたね。寝ている時も点滴ですし。深夜に点滴交換もしたから、その時に起こされるんですよね。

 

入院中に辛かったこと さみしい

入院中に特に寂しかったのはこの3つですね。

 

  • 朝目が覚めた瞬間「そうだった。入院したんだ…」と現実を思い出したとき。
  • 夕方、妻が自宅に帰る時
  • 夜、窓の外を眺めている時

 

窓から雪の積もる道路を見て思うんですよ。

 

  • 「なぜここにいるんだろう」
  • 「家はすぐそばなのに」
  • 「自分だけが別世界にいる」

 

日中の検査を終えて、夕食も食べおわり、後は消灯時間を待つだけ。

 

しーんとして、誰もいない食堂から外を眺めるんです。時々車が通ります。ただそれだけ。

 

それだけをじーーと見ている。

 

「寂しい」の極致でしたね。

 

入院中に辛かったこと お見舞いに来てほしくない時に人が来る

これはなかったです。なぜなら入院していた時はインフルエンザ警報がでており、原則面会禁止だったからです。

 

妻だけ特別に許可をもらって面会に来ていました。そうしないと入院生活が送れませんから。着替えや必要品をさっと交換するだけなんですけれどね。

 

ちなみに個室と大部屋の場合では面会の待遇が違うようです。

 

個室は1日中お見舞いが可能。大部屋は限られた時間内で面会室のみ利用可能でした。

 

他には誰もお見舞いには来ませんでした。お見舞い禁止ですしね。

 

私的にはもし自由にお見舞い可能だったら…どうなのかなぁ?

 

いや無理だなぁ。私の時間の流れがおそいのもだけれど、お見舞いの約束を覚えていられなかったと思います。そもそもトイレで席を外した妻の存在を忘れてしまうレベルでしたから。

 

目の前から消えると「最初から何もなかった認識になる」そんな状態ですよ。入院中の私は。記憶力が全くないのです。

 

入院中に辛かったこと 同室の人と合わなかった

同室の人とのコミュニケーションはゼロでした。

 

最初は個室から同室の人はいません。

 

次は「内科の大部屋」

 

ここはあまりにも症状がかけ離れすぎていました。

 

内科で入院しているたちって明るいんですよね。和気あいあいと交流しているんですよ。

 

でも私は脳神経内科の分野。交流なんてする気が全く起きません。

 

だから私一人がベッドのカーテンを閉め切っていました。交流断絶です。

 

最後に本来の「脳神経内科の大部屋」にうつりました。

 

全員カーテンを閉め切っていました。内科とは大違いです。同じ病院内なのに科でこんなにも状況が違うのかと驚きました。

 

私には脳神経内科の周囲を拒絶する雰囲気が心地よかったです。物音ひとつ立てられない雰囲気が。

 

このような状況なので同室の人と合わないということは在りませんでいたね。交流がゼロなのですから。

 

入院中に辛かったこと 一人の時間が無い

一人の時間が無いってどういう状況なんでしょうね?大部屋だから声をかけられるってことなのかな?他の人の目が気になるってことなのかな?

 

だったらカーテンを閉め切ってしまえばいいんですよ。私は内科にいた時は一人だけカーテンを閉め切って交流遮断していました。だからずっと一人の時間でしたよ。

 

和とか気遣いとか必要ないですよ。体を休めて病気を治すために入院しているのですから。静かにさえしていればそれでOKだと思います。患者同士の交流は必要ないと思います。

 

まとめ

私が入院中に経験した辛い事を、アンケートのランキングに照らし合わせてまとめてみました。

 

  • 寂しい
  • 食事がまずい
  • すごく忙しい

 

この3点かな?アンケートでは「暇」って書いてあるけれど私的には「超忙しい」でした。

 

記憶障害がおこると

 

  • 行動した記憶を呼び出せないため
  • 行動が超遅くなり
  • 物事に追い立てられるようになる

 

このような現象が起こるのだと思います。だから、一日のほとんどを寝て過ごしていて検査もMRIや血液検査ぐらいしかないのに「入院中は超忙しい!」と感じるのではないでしょうか。

 

そして、寂しいのは辛いです。本当に辛いんですよ。特に朝目が覚めて現実を最新式した瞬間と、消灯直前のしーーーーーんとした空気。

 

もし大切な人が入院中だったら「連絡を小まめに取れる手段の提案」をしてみると喜ばれるかもしれませんね。逆に「うっとおしい」と感じる人もいるでしょうから、その辺は空気を読むのは必須なので加減が必要ですが。

 

この時してもらったことは記憶障害でも忘れていませんよ。記憶する場所が違いますから。感情のラベル付きで強固に記憶されています。