作話は記憶のロシアンルーレット!?自信を削りとられる原因と対策

高次脳機能障害になってから精神的にショックを受けることが何度かありました。

 

その中でも自分から自信をごっそり削り取っていく恐ろしい症状があります。

 

それは「作話」です。

 

作話とは、脳に記憶されている記憶の断片をつなぎ合わせて、さも事実であるかのように信じること。

 

これが私をとことん臆病者に追い込んでいきました。

 

作話で感情を揺さぶるストーリーが勝手に作られる辛さ

 

「今日はお仕事を早めに終わらせよう。妻がショッピングモールに連れて行ってくれる約束をしてくれた!」

 

つい先ほどまで私はいそいそと仕事をしていました。

 

早く終わらせて妻の運転でショッピングモールの本屋へお出かけしようと考えていたからです。

 

時間は16:00。そろそろ約束の時間。仕事を切り上げて妻に声を掛けました。

 

「お仕事終わったからお出かけしよう!」

 

返事が帰ってきました。

 

「え?」

 

この返事で悟りました。ショッピングモールへお出かけする約束なんてしていなかったことに。

 

「またか」

 

この瞬間のがっかり感は半端ないです。

 

脳に障害を持つと、存在しないストーリを一人で勝手に作り出すことがあります。そしてさも真実のように思いこみます。これを作話といいます。

 

作話と妄想は違います。妄想は妄想だと自分でわかっていますから。作話は本人にとっては疑いようのない真実なのです。

 

私にはこの作話の症状があります。しかも極まれに地雷のように炸裂するのです。だからとても厄介。

 

作話をするほどに削り取られる自信

作話は今日だけではありません。

 

今までも何回か作話をして、一人で空回りしていた経験があります。

 

「そんな約束していないよ?」

 

そのたびに思うのです。

 

「またやってしまった。」

 

何度も繰り返すと自分自信が信用できなくなります。自信がどんどん削られていきます。厄介なことに極まれに症状が起こるのです。まさに記憶のロシアンルーレット状態。

 

作話に気付くとしばらくの間は、

 

「自分は何もしない方が良い。」
「良い話は作話だ。楽しい事なんてあるわけがない。」
「自分は本当にダメになった。」

 

このように気持ちが沈んでいくのがわかります。この時はとことん自分が信用できず、臆病な状態になります。

 

でも、不思議なことにしばらくして気持ちが落ち着くと、またころっと自分で自分をだましちゃうんですよね。作話で。

 

そしてまた落ち込むのです。

 

最近は作話に慣れてきた?

不思議なものです。作話も何度か繰り返していくうちに

 

「また作話かぁ」

 

みたいな感じで慣れてきちゃっています。

 

すでに信用は底値に到達しているから、「まぁいいかぁ」って開き直ったのかもしれません。

 

「作話なんて病気だし仕方ないよね。そのうち治るだろう。」

 

今はこんな感じで軽く受け止めるようにしています。

 

おふざけではありません。そうしないとメンタルが潰れます。一時期は本気で悩んで鬱のようになっていました。だからあまり深く考えないようにしたのです。

 

ただ、仕事で作話はまずいので、仕事に関することだけはきっちり作話対策を取っています。

 

私の高次脳機能障害の作話対策

私が取っている作話対策はメモです。常に約束と行動の2種類を記録し続けています。

 

これだけで記憶違いによる作話はだいぶ防げるようになったと思います。

 

「うわー、なんでかなぁ、ひどいなぁ…。」

 

こんな風に気持ちが荒れたときは記録を読み返します。すると「全くの誤解だった。また話を作っていた」ということがあるのです。

 

高次脳機能障害って記憶障害が出やすいと聞いたことがあります。作話で自己嫌悪に陥っている方は多いのではないでしょうか?

 

とにかく行動をノートに書くのは非常におすすめです。ポイントは予定ではなく、行動した記録を取ることです。

 

あとは近い人に作話について伝えておくといいかもしれません。信用は落ちますが迷惑をかけて傷口を広げるよりはましです。