発症から1年以上が過ぎても精神障害が?インフルエンザ脳症の後遺症の後遺症

インフルエンザ脳症になってから1年と2か月が過ぎました。

 

高次脳機能障害の後遺症が残り精神障碍者手帳3級を持っています。でも最近は少しずつ運転も出来るようになったし、感情の起伏も無くなってきたし、仕事もうまく回り始めている…。易疲労も感じません。

 

すべてが順調に従来の自分を取り戻しつつありゴールはもう少しだ。いや、もう完全に治っているんじゃないか?なんて晴れやかな気持ちだったのですが…。

 

そんな私に「やっぱりまだ完治していないのか…」と自分自身をがっかりさせるエピソードがありました。

 

最後に残った障害は心の傷?

今でも「自分にばかり悪いことが起きる!」という自虐的な感情が沸き上がるときがあります。

 

トラブルなどで自分の思った通りに事が進まないと、感情の処理が追い付かなくなるようです。強い負の気持ちが湧きあがります。

 

強い負の気持ちは「怒り」へと発展します。そしてその怒りは周囲にではなく自分自身に向けられます。

 

1年前に経験した、「一生寝たきりになるから、これいじょう仕事はしないで!」と家族から言われても止められなかった、元凶の部分がまさにココなのだと思います。

 

感情失禁?抑制力の障害?なのかもしれません。易疲労が解決してきたかな?と思ったらこんな厄介な壁が残っていました。

 

心の傷が癒えていないと実感したエピソード

丁度今は確定申告締め切り直前です。私は自営業者なので確定申告をしなければなりません。確定申告では1年間の費用や収入をすべて細かく入力して、税務署に提出する書類を作成します。

 

私は毎年、青色申告の会計ソフトを使って1年分の収支の入力をしています。入力にはかなりの時間がかかります。

 

で、1年分すべての情報を入力し終えてから気が付いたんですよね。違う場所に入力してたことに…。

 

情報入力にどれだけの時間がかかったでしょうか。再入力なんてとんでもないです。さらに確定申告の締め切りまでは時間がありません。

 

一気に、追い詰められました。怒りの感情が湧いてきました。ミスそのものへの怒りというよりも、自分への怒りです。

 

「なぜななんだ!なぜ自分にばかり悪いことが起こるんだ!」

 

この気持ちはインフルエンザ脳症を発症して以来、強く根付いています。私が怒るときのおおもとになっています。

 

実際はそんなことはありません。頭ではわかっています。でも一度トラブルが発生すると、自分自身への怒りが最大級の勢いで襲ってきます。

 

感情が抑制されていない。冷静でいられない。そんな感じになります。一瞬でスイッチがONになってしまうのです。怒りやすいという、感情失禁の一つなのだと思います。今回も感情失禁が発動しました。

 

それでも障害は解消されてきている

でも今回は悪いことばかりではありませんでした。障害が解消されているのを実感できた話に繋がります。

 

それは、問題をきちんと一人で解決できたことです。

 

以前は一度スイッチが入って怒りモードになると、誰にも止められない状態になりました。たとえ「無理をしすぎると一生寝たきりになる」と医師からくぎを刺されても、「それでいい!この仕事が出来ないのなら一生寝たきりでも構わない!」と暴走していました。

 

本当に死ぬつもりで問題解決に取り組んでいるため、誰にも止められない状況です。でも結局は出来ません。だから最後は大騒ぎして発狂状態のようになってしまっていました。妻も子も泣いて地獄の光景です。

 

今回の私も、またこの状態に近づいてしまいました。そしてスイッチが入りかけたのです。

 

「またか!また自分ばかりに悪いことが起きるのか!」

 

でも、すぐに頭を切り替えることが出来ました。今起きている問題を最小限の被害で回避する方法を考え始められたのです。

 

高次脳機能障害の世界でいうと

 

【以前は感情失禁で怒りやすく抑制が効かなくなり、問題解決を遂行できなかった状況だった。でも今はすぐに冷静さを取り戻して問題解決を図れるようになった。】

 

こんな感じでしょうか?

 

「いつまでも嘆いたり、怒っていても仕方がない。大事なのは目の前の問題をどう解決するかだ。」

 

ごくごく当たり前の考え方だと思います。今まではこれが出来ませんでした。でも今回はすぐに頭を切り替えられました。そして難なく問題を解決出来たのです。

 

なぜ一生寝たきりを覚悟で仕事をしたのでしょうか?

 

…私は小学生のころから今の仕事に関係することを勉強してきました。その経験から仕事はかなりできる方でした。人生をかけて築き上げてきた能力です。その能力を病気で失うのが認められませんでした。そこに自分の価値があると信じていました。だから自分に価値が無くなったのなら生きていても仕方がない。絶対にそんなことがあってはならないと考えたのです。

 

高次脳機能障害には別のステージがあるのだろうか?

今回のエピソードは、高次脳機能障害だから起きたことなのか、それとも元々の性格なのか、正直微妙でよくわかりません。あえて言うのなら、高次脳機能障害により、もとからあった短所が極端に増幅されやすくなっていた。といったところでしょうか。

 

「精神障害を負って自己肯定感が著しく低くなった」のも原因の一つだと思っています。

 

私は高次脳機能障害の専門家ではないので素人考えしか浮かびません。

 

わかっていることは【この時は怒りながらも問題を乗り切ることができた。誰も悲しい思いはしなかった。】ということです。ちょっと危ない雰囲気にはなりかけましたが踏みとどまれました。

 

こういうことがあると「私の心の傷はまだ完全に癒えていないんだなぁ」と思います。

 

心の傷はインフルエンザ脳症の後遺症(高次脳機能障害)のさらに後遺症(心の傷)なのかもしれません。

 

確実に快方に向かっていることはわかります。それが救いです。