高次脳機能障害の易疲労性|楽しみだった週刊少年マガジン最初の1ページが読めない脳に障害を負った私はマンガ本すら読めない体になっていたというお話です。入院中は検査に追われていますが何もしない時間もあります。その時は退屈。妻に普段読んでいた漫画本を持ってきてもらいました。「大人が漫画?」と思うかもしれませんが私は大のマンガ好きです。週に何冊か購入していました。それを買ってきてもらいました。さっそぐページを開くと…「ぐらぁ~」強烈なめまいに襲われました。ぐわんぐわんと目が回ります。頭がグルぐ回ります。そして後頭部が「ズゥン」と重くなります。すぐに「ハァハァ…」と息切れが始まりました。週刊少年マガジン7号だったと思います「久しぶりの漫画だ~。あの話の続きはどうなったのかなぁ?」なんてのんきな気持ちで開いた漫画です。まさかこれほど強烈なめまいに襲われるなんて思っていませんでした。とても気持ちが悪くなってしまい、グッタリしながらベッドに横になりました。そして昔のことを思い出しました。「そういえば盲腸で入院した時、3日間横になりっぱなしだった。起き上がった時はグラグラめまいがして大変だったなぁ。アレにそっくりだ。」「でも今回は寝たきりじゃない…なぜなんだろう?」試しにもう一度漫画に目をやります。「せめて1話分ぐらい読めないものかな?」と、挑戦してみました。…ダメでした。強烈なめまいと息切れが止まらなくなります。これ以上の無理は危険だと感じて漫画を読むのは中止しました。強い不安…「漫画すら読めない体になってしまった」私はベッドでぐったりしながら強い不安に襲われていました。「これからどうなるんだ…?」脳炎の影響で漫画すら読めない体になっていました。きっと目の神経を使うのが脳に大きな負担をかけるのでしょう。でも私の仕事はシステムエンジニア。退院したらまたコンピュータでプログラムを作るお仕事を続けるつもりでした。当然できるものだと思っていました。でもこの時初めてこう思ったのです。「もう…仕事が続けられないのかもしれない…。」プログラムを作るお仕事に就くことは小学生のころからの目標でした。大学時代のアルバイトから30年間、システムエンジニアとして飯を食べてきました。システム開発は天職です。これ以外の仕事など考えられません。その私が、「もうパソコンを使ったお仕事はできなくなるの?」こんな恐ろしい考えが浮かんできました。神経疲労…脳を使うととても疲れる状態たった1ページ漫画を読んだだけでぐったりしてしまった症状。これは、「易疲労性」「神経疲労」「脳疲労」と言います。こちらの記事で紹介した「電話をかけるとグッタリする」というのも神経疲労です。とにかく頭を使うと疲れてグッタリするのです。本人に自覚がない場合も多く、いつの間にか疲れ果ててボーっとしていた…なんてこともあります。でも休めないのが高次脳機能障害なんですよね…。自分が疲れていることがわからないのです。千葉リハでは、神経疲労の特徴としてこのようなことを習いました。すぐにぼーっとしてしまうすぐに疲れてしまうすぐに眠くなってしまうあくびばかりが出る動きや反応が遅い集中すると疲れてしまう作業や外出の後、グッタリしてしまう確かにこれらの症状は入院中にありましたね。とにかく眠かったです。そしてぼんやりしていることが多かったです。漫画はダメだけどテレビは見れる不思議な易疲労易疲労性ですぐにぐったりしてしまう私でしたが、テレビを見ることはできました。テレビのニュースを見ながら病院食を食べていました。インフルエンザ流行のニュースが印象的でしたね。またノートにメモを沢山書いていたのですが普通にできていましたし、読み返しもできました。看護師さんとの会話も普通にできます。ぐるぐると病棟内のお散歩もしていました。だいたい1時間は歩いていました。足は疲れますが脳は疲れませんでしたね。それなのにマンガだけは読めませんでした。漫画ってかなり脳のパワーを使うのだと思います。易疲労が回復して再び漫画を読めたのは退院後その日以来、退院するまで漫画は封印です。毎週の楽しみだった週刊少年マガジンは一切読まなくなりました。退院後に読んだ本は「日々コウジ中」という高次脳機能障害の夫をもつ奥さんが書いた漫画。これからの自分の事が描いてあるのだと感じ何度も読み返しました。この漫画は全く平気でした。とても参考になりました。私も漫画が描けたらなぁって思います。現在はまもなく10月になろうとしています。神経疲労は全くなくなりました。イオンへのお散歩でもハァハァ言わなくなりました。ありがたいことです。プレステのゲームなどは退院以来まったくやっておりませんが、遊べるようになっているんじゃないかな?なんて思っています。そのうち試してみたいと思います。